114D30

47歳の女性。後頸部のこり感と左手のしびれを主訴に来院した。1か月前から家事をする際に左示指と中指とにしびれを自覚するようになったという。20年前から関節リウマチで投薬を受けている。握力は右16kg、左14kg。両手にボタンホール変形を認める。左示指と中指とに軽度の感覚鈍麻を認める。下肢の筋力は徒手筋力テストで5である。腱反射に異常を認めない。歩行障害を認めない。入院治療については、次男の受験を控えていることから家族内で相談したいとの希望があったため、頸椎カラーを処方した。頸椎エックス線写真(A〜C)を別に示す。

生活指導で正しいのはどれか。

「枕は低いものを使用してくだい」
「洗顔時は頸椎カラーを外してください」
「頸部周囲筋のマッサージをお勧めします」
「左上肢はできるだけ使わないでください」
「起き上がる時は上半身の反動を利用してください」

解答: a

114D30の解説

20年前から関節リウマチで投薬を受けている中年女性。頸椎カラーを処方したのは環軸椎亜脱臼がみられているためであろう。画像A, BにてC1の前方亜脱臼が指摘可能(画像Cでは整復されており明らかでない)。
a 正しい。高い枕は頸部に負担がかかるため回避すべき。
b 洗顔時のような頸部が動きやすいときこそ、頸椎カラーの着用が望ましい。
c 頸部周囲筋のマッサージは危険である。
d 感覚鈍麻があるも、使わなければ治るという話ではない。環軸椎亜脱臼による神経根圧迫が原因となっている。
e 上半身の反動を利用して起き上がると頸部に負荷がかかるため危険である。

正答率:79%

テーマ:関節リウマチ〈RA〉による環軸椎亜脱臼をみる患者への生活指導

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