114D28

78歳の女性。左股関節痛を主訴に来院した。10年前に誘因なく左股関節痛が出現したがそのままにしていた。最近になり痛みが増悪したという。股関節部エックス線写真を別に示す。

治療法として適切でないのはどれか。

杖使用
筋力訓練
徒手整復
NSAID投与
人工股関節全置換術

解答: c

114D28の解説

10年前に誘引なく出現した高齢女性の左股関節痛。情報が少なく、診断には画像が必須。本来、大腿骨頭は寛骨臼にはまり込んでいるはずだが、本患者では左大腿骨頭が頭側へ偏位してしまっている。股関節脱臼の診断。10年前から誘引なく症状がみられており、高齢女性ということも合わせ、変形性股関節症が背景にある可能性が高い。
a 病変部位への免荷のため、杖使用は合理的。
b 中殿筋を中心とした筋力訓練を行うことで、歩行が安定し、関節痛が緩和する可能性がある。
c 誤り。10年前から症状がみられており、脱臼してからも相当な時間が経過しているものと思われる。現時点での徒手整復は難しい(そもそも整復できるか怪しい上、整復に成功できても再脱臼する可能性が高い)。
d 疼痛の主訴があり、NSAID投与は有効。むろん腎機能障害や消化性潰瘍の副作用に注意し、慎重に処方する。
e 根本的な治療法であり、適切である。

正答率:73%

テーマ:左股関節脱臼の治療法

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