114D16

58歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。3か月前から下腹部膨隆を自覚し、衣服がきつくなった。30歳時にチョコレート嚢胞と診断された。50歳で閉経。内診で、左付属器領域に10cmの可動性のない腫瘤を触知する。血液所見:赤血球360万、Hb 10.1g/dL、Ht 32%、白血球6,800、血小板26万。血液生化学所見:CEA 3.8ng/mL(基準5以下)、CA19-9 38U/mL(基準37以下)、CA125 280U/mL(基準35以下)。子宮頸部と内膜の細胞診は陰性。上部および下部消化管内視鏡検査で異常を認めなかった。手術のため入院し開腹したところ、左付属器に腫瘤を認めた。腹水はなく、腹腔洗浄細胞診は陰性であった。腫瘤と腸管との癒着はなかった。腹膜播種はなく、大網やリンパ節に異常を認めなかった。左卵巣を切除して迅速病理診断で明細胞癌と診断された。

左付属器、子宮および大網に加えて切除すべきなのはどれか。

腟壁
膀胱
S状結腸
右付属器
腸間膜リンパ節

解答: d

114D16の解説

明細胞癌の診断はすでについている。卵巣癌に対する基本術式は、両側付属器摘出術+子宮全摘出術+大網切除術である。選択肢の中では右付属器が正解となる。

正答率:86%

テーマ:明細胞癌の手術で切除すべき臓器

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なし