114C63

次の文を読み、以下の問いに答えよ。

23歳の男性。自宅で倒れているのを発見され救急車で搬入された。

現病歴:徹夜でゲームをしており、昨夜から母親の制止を聞かずに市販のカフェイン含有飲科を多量に飲用していた。摂取カフェイン総量は2,500mg以上と推定された。今朝、自宅で倒れているのを母親が発見し救急車を要請した。

既往歴:特記すべきことはない。

生活歴:家族と同居、一日中家にいて、外出することは少ない。3年前に退職後は定職についていない。

家族歴:特記すべきことはない。

現 症:呼びかけにより開眼、「アー」と発語はあるが問いかけには答えられない。痛み刺激に対して手で払いのける。体温38.2℃。心拍数148/分、整。血圧98/70mmHg。呼吸数30/分。SpO2 97%(マスク5L/分酸素投与下)。瞳孔径5mmで左右差を認めない。口腔内に吐物を認める。運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。心音に異常を認めない。両胸部にcoarse cracklesを聴取する。多量の尿失禁を認める。

検査所見:血液所見:赤血球459万、Hb 15.1g/dL、Ht 44%、白血球11,400、血小板25万。血液生化学所見:AST 28U/L、ALT 24U/L、CK 624U/L(基準30〜140)、尿素窒素40mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、血糖112mg/dL、Na 142mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 96mEq/L。CRP 2.4mg/dL。

最初に行う輸液の組成として最も適切なのはどれか。

5%ブドウ糖液
Na 35mEq/L、K 20mEq/L、Cl 35mEq/L
Na 154mEq/L、濃グリセリン、フルクトース配合液
Na 30mEq/L、K 0mEq/L、Cl 20mEq/L、L-Lactate 10mEq/L
Na 130mEq/L、K 4mEq/L、Cl 109mEq/L、L-Lactate 28mEq/L

解答: e

114C63の解説

市販のカフェイン含有飲料を多量引用していた若年男性。適切な最大カフェイン摂取量は1日あたりコーヒーで言うとマグカップ3杯分程度で、カフェイン総量は400mgとされる。この患者の推定摂取量は2,500mgということで非常に多い。カフェイン中毒と考えられる。血圧低下がみられるため、まずは細胞外液の補充を行いたい。
a 細胞内液の補充に有効。
b 3号液(維持液)であり、慢性期の病態維持に有用。
c 脳浮腫による頭蓋内圧亢進を軽減させるために有用。
d 4号液(術後回復液)であり、文字通り手術後に有効。
e 正しい。乳酸リンゲル液であり、細胞外液補充に適する。

正答率:91%

テーマ:【長文1/3】カフェイン中毒患者に最初に行う輸液の組成

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