114C54

58歳の男性。1週前から両眼の視力低下を自覚し来院した。これまでに医療機関を受診したことはなかったという。喫煙歴は20本/日を26年間。血圧170/90mmHg。血液生化学所見:尿素窒素23mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、空腹時血糖160mg/dL、HbA1c 8.2%(基準4.6〜6.2)、トリグリセリド190mg/dL、HDLコレステロール25mg/dL、LDLコレステロール148mg/dL。視力は右0.1(0.4×−3.0D)、左0.2(0.7×−2.5D)。眼圧は右15mmHg、左13mmHg。両眼の眼底写真、蛍光眼底写真、光干渉断層計〈OCT〉像および光干渉断層血管撮影写真(A、B)を別に示す。眼底写真では点状・斑状出血、硬性白斑および軟性(綿花様)白斑を両眼に認める。光干渉断層血管撮影写真では毛細血管の減少を両眼に認める。

診断はどれか。

加齢黄斑変性
糖尿病網膜症
網膜細動脈瘤
網膜静脈分枝閉塞症
網膜中心静脈閉塞症

解答: b

114C54の解説

これまで医療機関を受診したことのない中年男性。空腹時血糖>126mg/dL、HbA1c>6.5%より糖尿病の診断となる。ありがたいことに画像所見が本文中に示してあるが、いずれも糖尿病網膜症のキーワードである。
a 黄斑部の出血や変性をみる。
b 正しい。上記の通り。
c 糖尿病網膜症では眼底の毛細血管瘤が出現するが、本問では他に明らかな正解選択肢があるため、選ばない。
d 眼底の区域性虚血所見や出血をみる。
e 火炎状の眼底変化をみる。

正答率:96%

テーマ:糖尿病網膜症の診断

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