114C45

84歳の女性。腹痛のため救急車で搬入された。2日前から排便がなく腹痛と腹部膨満感を自覚するようになった。今朝から症状が強くなったため救急車を要請したという。意識は清明。体温37.5℃。心拍数98/分、整。血圧148/94mmHg。呼吸数22/分。SpO2 97%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)。腹部は膨隆し腸雑音はやや亢進し、打診で鼓音を認める。左腹部に圧痛を認めるが反跳痛はない。腹部エックス線写真を別に示す。

まず行うべき対応はどれか。

降圧薬投与
イレウス管留置
内視鏡的整復術
グリセリン浣腸
抗コリン薬投与

解答: c

114C45の解説

高齢女性の腹痛。腹部が膨隆し、腸雑音は亢進、打診で鼓音を認めている。画像でcoffee bean signが指摘でき、S状結腸軸捻転症の診断となる。
a 高血圧は今の問題ではない。
b 腸閉塞に対して一般にイレウス管による減圧が行なわれるが、本疾患では内視鏡的整復が第一選択となる。
c 正しい。内視鏡的整復が有効であり、第一選択となる。
d 閉塞機転が存在する場合にいたずらに浣腸をすると、腸管への負荷が増大し、最悪穿孔をきたす恐れがある。
e 腸管運動を減弱させる作用があるため、一般的な腹痛への対症療法として用いられることはあるが、腸閉塞に対しては無効。

正答率:76%

テーマ:S状結腸軸捻転症にまず行うべき対応

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