114B38

64歳の男性。めまい、頭痛および嘔吐後の意識障害のため救急車で救命救急センターに搬入された。突然の回転性めまいと頭痛を訴えた後に嘔吐した。意識レベルはJCS II-30。心拍数96/分、整。血圧198/112mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96%(マスク6L/分酸素投与下)。瞳孔径は両側4mmで対光反射は両側で遅延している。乳酸リンゲル液を輸液中である。頭部CTを別に示す。

この時点で投与すべきなのはどれか。

t-PA
モルヒネ
カルシウム拮抗薬
重炭酸ナトリウム
副腎皮質ステロイド

解答: c

114B38の解説

中高年男性の突発した回転性めまいと頭痛・嘔吐。画像より小脳出血の判別は難しくない。
a 血栓溶解療法であり、投与により出血が助長される。★禁忌★
b 慢性期の疼痛緩和に用いる。またモルヒネには呼吸抑制の副作用があるため、小脳出血からの脳幹圧迫による呼吸停止を助長しかねない。
c 正しい。降圧薬である。本患者では198/112mmHgと血圧上昇が認められているため、さらなる出血を抑制するためにも降圧が必要となる。
d 耳鼻咽喉科領域の末梢性めまいの対症療法として用いられる。
e 脳浮腫の存在下で対症療法として投与されることがあるが、本患者では降圧が優先される。

正答率:98%

テーマ:小脳出血に投与すべき薬剤

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