114B33

82歳の男性。右下肢のしびれと痛みのため救急車で搬入された。本日、夕方にテレビを見ていたときに突然右下肢のしびれと痛みを感じた。しばらく様子をみていたが徐々に痛みが増悪し、3時間経過しても改善しないため救急車を要請した。意識は清明。体温36.4℃。心拍数98/分、不整。血圧160/96mmHg。呼吸数14/分。SpO2 99%(マスク5L/分酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。右下腿は蒼白で冷感を認める。右大腿動脈、右膝窩動脈、右足背動脈の触診で動脈拍動を触知しない。下肢に浮腫は認めない。造影CTによる血栓の局在を確認した後、再灌流療法を行った。

治療後に認められる可能性が低いのはどれか。

右下腿浮腫
ビリルビン尿
高カリウム血症
乳酸アシドーシス
血清クレアチンキナーゼ高値

解答: b

114B33の解説

右下肢のしびれと痛みのため救急搬送された82歳男性。脈拍は不整で心房細動の存在を考える。また、右下肢動脈を触知せず、色調も変化していることから、心房細動による血栓形成とそれによる右下肢の急性動脈閉塞と判断する。再灌流療法の合併症を問うており、虚血再灌流障害〈MNMS〉を考える。
a 虚血の後、急に血流が再開したことで、局所性の浮腫が生じる。
b 誤り。筋の崩壊によりミオグロビン尿が見られる。
c 筋の崩壊によりカリウムが上昇する。
d 筋の崩壊により乳酸が生じ、アシドーシスとなる。
e 筋の崩壊によりクレアチンキナーゼ〈CK〉が上昇する。

正答率:68%

テーマ:急性下肢動脈閉塞症後の虚血再灌流障害〈MNMS〉の所見

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