114B31

55歳の男性。両足の浮腫を主訴に来院した。10日前に両足の浮腫が出現し増悪したため受診した。身長170cm、体重75kg(10日前は65kg)。脈拍100/分、整。血圧92/56mmHg。両下肢に浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(−)。随時尿の尿蛋白/Cr比は8.7g/gCr(基準0.15未満)。血液所見:赤血球485万、Hb 18.1g/dL、Ht 48%、白血球7,800、血小板23万。フィブリノゲン677mg/dL(基準186〜355)、Dダイマー3.1μg/mL(基準1.0以下)。血液生化学所見:総蛋白4.0g/dL、アルブミン1.5g/dL、尿素窒素56mg/dL、クレアチニン1.3mg/dL、血糖84mg/dL、HbA1c 6.0%(基準4.6〜6.2)、総コレステロール310mg/dL、トリグリセリド120mg/dL。腎生検にて微小変化型ネフローゼ症候群と診断された。

この患者において注意すべき合併症はどれか。

左室肥大
食道静脈瘤
視神経乳頭浮腫
深部静脈血栓症
甲状腺機能亢進症

解答: d

114B31の解説

臨床文の最後に「微小変化群ネフローゼ症候群と診断された」と書いてある。実質的な一般問題である。
a 高血圧症の合併症。
b 肝硬変の合併症。
c 視神経炎や頭蓋内圧亢進時の症候。
d 正しい。ネフローゼ症候群では血管内脱水により、濃縮が起こり、血栓傾向となりやすい。本文中のDダイマー上昇もそれを示唆する。
e 甲状腺機能とネフローゼ症候群とは特に関係がない。

正答率:98%

テーマ:微小変化型ネフローゼ症候群〈MC〉で注意すべき合併症

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