114B28

23歳の女性。全身倦怠感を主訴に受診した。2週前に市販の妊娠検査薬が陽性となり来院し、子宮内に胎嚢と10mmの胎芽を認めた。10日前から悪心を自覚し、1週前から嘔吐を繰り返し、食事がほとんど摂取できていないという。性器出血や下腹部痛の訴えはない。意識は清明。身長155cm、体重50kg。妊娠前の体重は54kgであった。体温37.1℃。脈拍84/分、整。血圧122/68mmHg。呼吸数16/分。口唇の乾燥を認める。経腟超音波検査にて頭殿長20mmの胎児と心拍動を認める。

まず行う検査はどれか。

尿ケトン体
血中hCG定量
甲状腺機能検査
動脈血ガス分析
上部消化管内視鏡検査

解答: a

114B28の解説

妊娠反応が陽性となった女性。嘔吐を繰り返し、食事がほとんど摂取できていないということからは妊娠悪阻を考えたい。妊娠悪阻の診断には嘔吐などの典型的症状のほか、体重減少と、尿中ケトン体陽性を示すことが重要となる。本問では嘔吐がみられており、体重減少も記載がある。よって、尿中ケトン体陽性を検査で示す運びとなる。
a 正しい。妊娠悪阻では尿ケトン体が陽性となる。
b 異所性妊娠を疑った際に測定する。
c 妊娠初期の一過性hCG高値により甲状腺機能亢進症状をみることがあるが(See 110A44)、妊娠悪阻とは関係がない。
d 血液中のケトン体上昇により、代謝性アシドーシスが予想される。が、妊娠悪阻の診断基準には含まれていないため、正解とはならない。
e 消化管の器質的病変による症状ではないため、無効。

正答率:71%

テーマ:妊娠悪阻の検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし