114A75

80歳の男性。夜間に大声をあげることを主訴に来院した。約10年前から時々はっきりした夢をみて、夜中に大声をあげるようになった。1年前から動作がのろくなり、歩行時に歩幅が小刻みとなって、つまずくことが増えてきた。2か月前から、カーテンが人の姿に見えることがあったという。さらに、夜中に大声をあげて手足を動かしてベッド周囲の物を落とすことが増えてきたため、心配した妻に勧められて受診した。既往歴に特記すべきことはなく、常用薬はない。頭部MRIでは軽度の脳萎縮以外に異常は認めない。

診断に有用な検査はどれか。3つ選べ

脳脊髄液検査
末梢神経伝導検査
ポリソムノグラフィ
MIBG心筋シンチグラフィ
ドパミントランスポーターSPECT

解答: c,d,e

114A75の解説

動作緩慢や歩行障害からParkinsonismの存在が読み取れる。幻視もみられており、Lewy小体型認知症〈DLB〉と考えられる。夜間のトラブルはDLBに合併しやすいREM睡眠行動障害によるものであろう。
a 髄膜炎などに有用。
b ニューロパチーの評価に有用。
c 正しい。REM睡眠行動障害に有効。
d 正しい。DLBでは心臓交感神経機能が低下するため、有効。
e 正しい。DLBでは基底核ドパミン取り込みの低下をみる。

正答率:46%

テーマ:Lewy小体型認知症〈DLB〉の診断に有用な検査

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