114A71

9歳の男児。左肘痛を主訴に母親とともに来院した。自転車乗車中に転倒し、左手をついて受傷した。左肘関節エックス線写真(A、B)を別に示す。徒手整復を行う準備をしていたところ、左前腕部にも疼痛が出現し、左手指の自動運動が不能となった。

緊急筋膜切開術を判断する指標として適切なのはどれか。2つ選べ

創の有無
転位の程度
橈骨動脈の拍動
皮下出血の有無
前腕筋区画内圧

解答: c,e

114A71の解説

9歳男児の左肘痛。画像から、上腕骨顆上骨折と分かる。「左前腕部にも疼痛が出現し、左手指の自動運動が不能となった」という記載からはコンパートメント症候群が考えやすい。上腕骨顆上骨折にはVolkmann拘縮を合併しやすいことが有名である。治療は緊急筋膜切開術となるため、設問文にも診断のヒントが隠されていたこととなる。
a 創が存在した場合に追加で治療が必要となることがあるも、コンパートメント症候群と直接関係はしない。
b 転位の大きな損傷は重症なことが多いも、コンパートメント症候群と直接関係はしない。
c 正しい。筋区画内圧の上昇により、血管が圧迫され阻血状態となる。そのため、橈骨動脈の拍動が減弱〜消失する。
d 皮下出血の有無はコンパートメント症候群と直接関係しない。
e 正しい。コンパートメント症候群では筋区画内圧が上昇する。

正答率:98%

テーマ:上腕骨顆上骨折で緊急筋膜切開術を判断する指標

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