114A65

40歳の経産婦(6妊5産)。妊娠34週3日に胎動消失を主訴に来院した。妊娠経過は順調であったが、妊娠30週の妊婦健康診査後、多忙と経済的理由のため受診していなかった。これまで計5回の経腟自然分娩の既往がある。身長152cm、体重62kg。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧116/72mmHg。子宮収縮は認められなかった。腹部超音波検査を施行したところ、胎児心拍を認めなかった。推定胎児体重は1,500gで妊娠30週の妊婦健康診査時の推定体重とほぼ変わらなかった。胎盤に異常所見はなかった。

直ちに行う血液検査項目として適切なのはどれか。2つ選べ

FDP
血小板数
抗リン脂質抗体
胎児ヘモグロビン
間接Coombs試験

解答: a,b

114A65の解説

妊娠34週で胎児心拍を認めず、妊娠30週から推定体重が変化していない。残念ながら子宮内胎児死亡である。死児が子宮内にとどまると播種性血管内凝固〈DIC〉を惹起しやすいことを知っておこう。
a 正しい。DICではFDPが上昇する
b 正しい。DICでは血小板数が低下する。
c 抗リン脂質抗体症候群にて陽性となる。
d 母児間輸血症候群にて検出される。
e 血液型不適合妊娠を疑った際に施行される。

正答率:62%

テーマ:死産後の播種性血管内凝固〈DIC〉確認のために直ちに行う血液検査

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