114A53

60歳の女性。咳嗽を主訴に来院した。5年前から関節リウマチに対し、副腎皮質ステロイドとメトトレキサートの内服処方を受け、病状は安定している。1か月前から咳嗽が続いている。胸部エックス線写真(A)及び胸部CT(B)を別に示す。気管支鏡検査を行い、気管支洗浄液の抗酸菌検査で塗抹陽性で、非結核性抗酸菌が培養された。血液検査で抗MAC〈Mycobacterium avium complex〉抗体が陽性であった。

対応で適切なのはどれか。

肺生検が必要である。
接触者健康診断を行う。
個室隔離のため入院させる。
保健所への届出は不要である。
クラリスロマイシン単剤治療を行う。

解答: d

114A53の解説

関節リウマチの診断で投薬を受けている60歳の女性。本文中にすでに実質的診断は記載があり、非結核性抗酸菌症(MAC症)と考えられる。画像では粒状影と小結節が両肺にみられる。CTの2枚目で左舌区とに気管支拡張像がみられているのも特徴的である。
a すでに診断はついており、肺生検は不要。
b 非結核性抗酸菌症はヒト-ヒト感染しない。ゆえに接触者健診は不要。
c 非結核性抗酸菌症はヒト-ヒト感染しない。ゆえに個室隔離は不要。
d 正しい。『感染症法』で1〜5類に定められる感染症ではない。ゆえに保健所への届出は不要。
e クラリスロマイシンのほか、リファンピシンとエタンブトールとを組み合わせ、多剤併用治療を行う。

正答率:82%

テーマ:非結核性抗酸菌症(MAC症)への対応

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