114A52

2か月の男児。嘔吐を主訴に母親に連れられて来院した。前日から嘔吐があり、自宅近くの診療所を受診し、腹部の腫瘤を指摘されたため紹介されて受診した。身長57cm、体重5,360g。意識は清明。体温36.8℃。心拍数100/分、整。血圧76/40mmHg。呼吸数24/分。眼瞼結膜は軽度貧血様である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は膨満しており、左下腹部に径約10cmの硬い腫瘤を触知する。血液所見:赤血球304万、Hb 9.1g/dL、Ht 26%、白血球7,400、血小板40万。血液生化学所見:総蛋白5.6g/dL、総ビリルビン2.6mg/dL、直接ビリルビン0.9mg/dL、AST 54U/L、ALT 25U/L、アミラーゼ13U/L(基準37〜160)、尿素窒素6mg/dL、クレアチニン0.2mg/dL。CRP 0.1mg/dL、尿中バニリルマンデル酸〈VMA〉645mg/gCr(基準4.5〜12.7)。腹部単純MRIの脂肪抑制T2強調水平断像(A)及び冠状断像(B)を別に示す。

この患児が予後良好と考えられる根拠となる因子はどれか。

年齢
性別
腫瘤の大きさ
血中ヘモグロビン値
尿中バニリルマンデル酸値

解答: a

114A52の解説

腹部腫瘤を指摘された2か月の男児。小児に好発する腫瘍の鑑別となるが、尿中VMAが上昇していることから、神経芽腫が考えやすい。画像ではA, Bともに正中を超える副腎由来と思われる巨大な腫瘤がみられる。
a 正しい。年齢1歳半未満が神経芽腫の予後良好因子である。
b 予後因子に含まれない。
c 予後因子に含まれない。
d 予後因子に含まれない。
e 予後因子に含まれない。

正答率:94%

テーマ:神経芽腫の予後良好因子

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