114A51

52歳の男性。意識障害のため同僚とともに来院した。倉庫内でガソリンエンジンを動力源とするコンクリートカッターを使用して鉄筋コンクリートの床面の切断作業を行っていたが、うずくまるようにして倒れているのを発見された。コンクリートカッターは作動したまま、放置されていた。意識はもうろうとしていたが、外傷はなかったため、社用車で来院した。同所で作業し、ともに来院した同僚3名は頭痛や悪心の症状を訴えている。意識レベルはJCS II-10。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧146/80mmHg。呼吸数24/分。SpO2 97%(room air)。顔色は紅潮している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢の筋緊張は低下している。

まず行うべき処置はどれか。

胃管挿入
酸素投与
ブドウ糖静注
アドレナリン筋注
吸入β刺激薬投与

解答: b

114A51の解説

中年男性の意識障害。ガソリンエンジンが稼働する現場で作業をしていたとのことで、一酸化炭素中毒が考えやすい(同僚にも症状があることも納得だ)。顔色の紅潮はCO-Hbの増加で説明がつく。
a 薬物中毒への対処である。
b 正しい。一酸化炭素中毒にはまず酸素投与を行う。
c 低血糖への対処である。
d アナフィラキシーへの対処である。
e 気管支喘息への対処である。

正答率:96%

テーマ:一酸化炭素中毒への処置

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