114A50

56歳の女性。気が遠くなるようなめまいを主訴に来院した。1年前に鼻翼に丘疹が出現した。皮膚サルコイドーシスと診断され、副腎皮質ステロイド外用薬の塗布により、3か月程度で皮疹は改善した。今朝から気が遠くなるようなめまいが出現したため受診した。体温36.7℃。脈拍40/分、整。血圧132/72mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球414万、Hb 12.6g/dL、白血球5,400、血小板27万。血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL、アルブミン4.3g/dL、AST 21U/L、ALT 22U/L、LD 261U/L(基準120〜245)、CK 78U/L(基準30〜140)、クレアチニン0.5mg/dL。CRP 0.1mg/dL。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図で完全房室ブロックを認める。心エコー図を別に示す。左室駆出率は45%であった。完全房室ブロックに対して一時的ペースメーカーを挿入した。

適切な治療はどれか。

NSAID
抗結核薬
コルヒチン
リツキシマブ
副腎皮質ステロイド

解答: e

114A50の解説

すでに皮膚サルコイドーシスの診断がついている中年女性。気の遠くなるようなめまいは本文中最後に記載がある完全房室ブロックによるものであろう。画像では典型的な心室中隔基部の菲薄化がみられており、心サルコイドーシスの診断。これによる左室駆出率低下や不整脈の出現と考えられる。
a 消炎鎮痛薬。
b 結核の治療薬。
c 痛風やBehçet病の治療薬。
d B細胞系の悪性リンパ腫の治療薬。
e 正しい。サルコイドーシスには副腎皮質ステロイドが有効である。

正答率:97%

テーマ:心サルコイドーシスの治療

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