114A49

78歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。半年前から労作時呼吸困難を自覚し、2週前から増悪しているという。意識は清明。体温37.0℃。脈拍100/分、整。血圧146/84mmHg。呼吸数24/分。SpO2 88%(room air)。心音に異常を認めない。両側の背部にfine cracklesを聴取する。下腿に浮腫を認めない。胸部エックス線写真(A)及び胸部CT(B)を別に示す。

認められる可能性が高いのはどれか。

一秒率低下
PaCO2上昇
A-aDO2開大
血清LD低下
血中サーファクタントプロテインD〈SP-D〉低下

解答: c

114A49の解説

高齢男性の労作時呼吸困難。聴診にてfine cracklesがあることから、間質性肺炎が疑われる。画像ではAにて両側性のスリガラス影を、Bにて蜂巣肺と特に背側優位なスリガラス影を、Cにて蜂巣肺を認めている。特発性肺線維症と考えられる。
a 閉塞性障害でみられる。特発性肺線維症は拘束性障害を呈する。
b II型呼吸不全でみられる。特発性肺線維症はI型呼吸不全を呈する。
c 正しい。拡散障害により、A-aDO2が開大する。
d 肺の炎症により、血清LDは上昇する。
e 特発性肺線維症ではSP-AやSP-Dが上昇する。

正答率:95%

テーマ:特発性肺線維症〈IPF〉の急性増悪の検査所見

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