114A42

34歳の男性。頭痛、顔つきの変化および手足の容積増大を主訴に来院した。2年前から家人に顔貌の変化を指摘されている。1年前から頭痛を自覚するようになった。身長182cm、体重98kg。脈拍80/分、整。血圧156/90mmHg。顔面は眉弓部の膨隆、鼻と口唇の肥大、巨舌を認める。胸部と腹部とに異常は認めない。内分泌検査所見:GH 8.5ng/mL(男性の基準2.5以下)、IGF-1 780ng/mL(34歳男性の基準102〜283)、ACTH 35pg/mL(基準7.2〜63.3)、プロラクチン62.0ng/mL(基準3.6〜12.8)、コルチゾール14μg/dL(基準6.24〜18.0)。頭部単純エックス線写真を別に示す。

この患者でみられないのはどれか。

心肥大
耐糖能異常
低リン血症
睡眠時無呼吸
手根管症候群

解答: c

114A42の解説

頭痛や顔つきの変化を主訴に来院した34歳男性。GH、IGF-Iの上昇を認めることから先端巨大症の診断は容易である。プロラクチンの上昇も認めている。先端巨大症では成人病の体表例である高血圧、高血糖、脂質異常症を合併しやすい。画像では前額部と下顎との突出を認める。
a 高血圧症を認めていることから心負荷の増大により心肥大を認めうる。
b 先端巨大症ではIGF-Iが上昇し耐糖能異常を生じやすい。
c 誤り。GHは活性型ビタミンDを上昇させる働きがある。活性型ビタミンDはリンを上昇させる働きがあるため高リン血症をきたす。
d 喉の軟部組織が腫大し、睡眠時無呼吸症候群を合併しうる。
e 手首の軟部組織が腫大し手根管症候群を合併しうる。

正答率:90%

テーマ:先端巨大症の症候

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