114A41

1歳の男児。体幹の紅斑と色素斑を主訴に母親に連れられて来院した。生後4か月から入浴後に頸部と体幹に掻痒を伴う紅斑と膨疹が出現するようになったため受診した。頸部と体幹に径2cm大までの色素斑と浸潤性紅斑の散在を認める。色素斑部を擦過すると数分後に膨疹を生じる。皮膚生検で真皮内にトルイジンブルー染色で赤紫色顆粒を含有する細胞の稠密な浸潤を認める。体幹の写真を別に示す。

考えられる診断はどれか。

Sweet病
急性痒疹
Quincke浮腫
色素性蕁麻疹
アトピー性皮膚炎

解答: d

114A41の解説

紅斑と色素斑を主訴に来院した1歳男児。色素斑部を擦過すると数分後に膨疹を生じるのはDarier徴候である。トルイジンブルー染色で染まるのは肥満細胞の特徴。画像では隆起性の皮疹を認める。色素性蕁麻疹〈肥満細胞腫〉の診断。
a Sweet病であれば発熱と有痛性紅斑を認める。また、真皮に好中球の浸潤を認める。
b 急性痒疹も同様の発疹を認めるが、四肢・体感に多数出現する。また、Darier徴候を認めない。
c 膨疹を呈するが、主に顔面にみられる。
d 正しい。上記の通り。
e 慢性炎症性湿疹で、肘窩や膝窩といった湿潤性の場所に紅斑や丘疹を生じる。

正答率:94%

テーマ:色素性蕁麻疹の診断

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