114A38

76歳の男性。肺癌治療のため入院中である。根治術として、右肺下葉切除およびリンパ節郭清術を施行された。胸腔ドレーンからの軽度の空気漏れが手術直後から観察されたが、胸部エックス線写真では肺の膨張に問題はなかった。術後3日目、胸腔ドレーンからは依然空気漏れを認めている。手術直後の胸部エックス線写真(A)及び術後3日目の胸部エックス線写真(B)を別に示す。

この患者で認められる所見はどれか。

紅斑
皮下血腫
皮下握雪感
表在静脈拡張
鎖骨上リンパ節腫脹

解答: c

114A38の解説

肺癌術後の76歳男性。術後より胸腔ドレーンからの空気漏れが持続している。画像において術後の右肺にみられる白い腺はドレーンチューブである。左の術直後と比べて術後3日目の胸部エックス線には右腋窩に黒い部分が増えている。これは皮下気腫である。また、右肺の下方に鏡面形成を認める。胸水または血胸、乳び胸の可能性がある。
a 紅斑は皮膚の赤い色調変化である。本症例でみられるとは考えにくい。
b 皮下に出血を生じるため皮膚が暗赤色となる変化が皮下血腫である。本症例でみられるとは考えにくい。
c 正しい。皮下気腫の存在下では握雪感をみる。
d 表在静脈怒張は静脈瘤で認める所見である。
e 鎖骨上リンパ節はエックス線での判読は困難であり、また肺癌に特徴的な所見でもない。

正答率:95%

テーマ:胸腔ドレーンから気漏が持続する患者で認められる所見

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