114A37

68歳の男性。上前胸部痛を主訴に来院した。2年前から両手掌に皮疹が繰り返し出現していた。1年前から上前胸部痛を自覚していたという。1か月前から上前胸部の疼痛が増悪したため受診した。両手掌に膿疱性皮疹を多数認める。両側の近位指節間関節の腫脹と圧痛を認める。両側胸鎖関節の骨性肥厚と熱感および圧痛を認める。この患者の胸部エックス線写真を別に示す。

関節病変の原因として最も考えられるのはどれか。

関節リウマチ
強直性脊椎炎
慢性疲労症候群
掌蹠膿疱症性骨関節炎
リウマチ性多発筋痛症

解答: d

114A37の解説

上前胸部痛を主訴に来院した68歳男性。両手掌に膿疱性皮疹を認めることから掌蹠膿疱症を考える。掌蹠膿疱症は骨関節炎を合併しやすい。画像では第一肋骨と鎖骨が骨性肥厚のため太くなっている。胸肋鎖骨間骨化症の所見である。
a 関節リウマチは胸痛や膿疱性皮疹が初発症状である点が合致しない。
b 強直性脊椎炎であれば若年男性に好発し、腰痛や臀部痛を認めることが多い。
c 慢性疲労症候群であれば膿疱性皮疹や関節の圧痛といった器質的異常は認めない。
d 正しい。掌蹠膿疱症は骨関節炎を合併しやすい。
e リウマチ性多発筋痛症であれば膿疱性皮疹は認めない。

正答率:98%

テーマ:掌蹠膿疱症性骨関節炎の診断

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