114A19

3歳の男児。5日前から右の眼瞼下垂が出現し、次第に目立ってきたため、祖母に連れられて受診した。1年前の写真では両側とも眼瞼下垂はなかった。外傷の既往はない。意識は清明で、活発に走り回っている。右優位の両側眼瞼下垂を認めるが、祖母によると朝は目立たず、夜になると悪化するという。嚥下に問題はない。四肢の筋萎縮はなく、腱反射は正常である。視力は右0.8(1.2×+1.0D)、左0.7(1.2×+1.0D)で乱視は認めず、眼球運動にも異常を認めない。

診断に有用なのはどれか。

脳波
脳脊髄液検査
ポリソムノグラフィ
聴性脳幹反応〈ABR〉
エドロホニウムテスト

解答: e

114A19の解説

眼瞼下垂を主訴に来院した3歳男児。症状は夜になると悪化することから、重症筋無力症〈MG〉を考える。
a 意識障害や痙攣を認める場合に検討するが、本症例はそれらの症候はないため不要である。
b 脳脊髄液検査は髄膜炎や脊髄の炎症性疾患を疑う際に行う。意識清明で活発であり、外傷の既往もないことから不要である。
c 睡眠障害に対する検査である。眼瞼下垂は眠気のため起こるものではないため不要である。
d 聴覚に対する検査である。眼瞼下垂とは関連しない。
e 正しい。エドロホニウムを投与し著明な改善をみればMGと診断できる。

正答率:99%

テーマ:重症筋無力症〈MG〉の診断に有用な検査

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