113F64

83歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。夏の日中に長時間の草刈り作業中、ふらつきを訴えていた。その後、意識がもうろうとなっているところを周囲の作業者が気付き、救急車を要請した。2型糖尿病と高血圧症で内服治療中である。意識レベルJCS III-100。体温38.3℃。心拍数120/分、整。血圧92/50mmHg。呼吸数24/分。SpO2 98%(マスク5L/分酸素投与下)。口腔内は乾燥しており、全身に発汗を認める。血液所見:Hb 15.2g/dL、Ht 53%。血液生化学所見:Na 148mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 104mEq/L、血糖98mg/dL、尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL。

初期対応に用いる輸液として適切なのはどれか。2つ選べ

生理食塩液
アミノ酸製剤
5%ブドウ糖液
高カロリー輸液
乳酸リンゲル液

解答: a,e

113F64の解説

意識障害のため救急車で搬入された83歳の男性。夏の日中に長時間外で作業し、意識が低下した。体温の上昇、血圧低下があり、熱中症を考える。口腔内の乾燥、HbやHt 、Naの上昇は全て脱水を示唆する。糖尿病の治療中だが、血糖は正常であるため低血糖による意識低下は否定できる。
a・e 正しい。熱中症、脱水にはまず細胞外液の投与を行う。
b・d これらはまず投与するものではない。
c 5%ブドウ糖液は細胞内液を補充するためのものである。

正答率:97%

テーマ:熱中症の初期対応に用いる輸液の種類

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