113F63

34歳の女性(1妊1産)。産後2週の妊産婦健康診査を希望して、分娩した産科診療所に来院した。2週間前に第1子である3,150gの男児を経膣分娩した。来院時の体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧126/76mmHg。尿所見は蛋白(-)、糖(-)。内診で子宮復古に異常は認めず、悪露も正常であった。母乳哺育を行っているが、うまくできているかとても心配で毎日よく眠れない。育児は全く楽しくなく、ときに自分を傷つけたいとの思いが浮かぶという。日本語版エジンバラ産後うつ病質問票〈EPDS〉への自己記入の結果、合計点数は12点(基準8以下)であった。

この時点の対応として適切なのはどれか。2つ選べ

抗精神病薬を処方する。
精神科への受診を提案する。
児と分離することを目的に入院させる。
本人の同意を得て市町村に患者情報を伝える。
母乳哺育を中止し人工乳哺育にするように指導する。

解答: b,d

113F63の解説

産後2週の34歳女性。「心配で毎日よく眠れない」「育児は全く楽しくなく」「自分を傷つけたいとの思いが浮かぶ」といった訴えと、EPDSの結果から産褥期うつ病〈産後うつ病〉と考えられる。
a 抗精神病薬は統合失調症に有効。
b 正しい。精神科専門医の対応が望ましい。
c・e 児と分離させたり、母乳哺育を中止すると、母児の溝をさらに深めてしまうこととなる。
d 正しい。子育て世代包括支援センターや子ども家庭総合支援拠点といった対応拠点が市区町村単位で存在する。本人の同意を得た上で、患者情報を伝えることも必要だ。

正答率:57%

テーマ:産後うつ病への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし