113F58

2か月の乳児。肛門部の異常に気付いた母親に連れられ来院した。排便回数は1日2回で、排便時やおむつの交換時に泣く。母乳を1日に8回飲み、哺乳力は良好である。体温37.0℃。心拍数100/分、整。血圧80/50mmHg。呼吸数20/分。腹部は軽度膨満し、肝を右肋骨弓下に2cm触知する。腸雑音に異常を認めない。肛門部の写真を別に示す。触れると軟らかく、痛がる様子がある。

母親に対する説明で正しいのはどれか。

「先天性の疾患です」
「腫瘍性の疾患です」
「細菌感染が原因です」
「排便時に力むことが原因です」
「肛門が裂けることで生じます」

解答: c

113F58の解説

2か月乳児の肛門部の異常。排便時やおむつの交換時に泣くとのことで、痛いのだろう。「腹部は軽度膨満」の解釈が若干悩ましいが、2か月乳児であれば膨満していても生理的範囲内である。が、排便時に痛いから便秘気味となっており、これにより便が停滞して腹部膨満という出題者の意図なのかもしれない(いずれにしても回答には何の影響もない)。肝を2cm触知するのは生理的。診断のポイントは画像。肛門部左側に発赤・腫脹がみられ、肛門周囲膿瘍と診断される。
a 後天性の疾患である。
b 感染性の疾患である。
c 正しい。細菌感染により膿瘍を形成している。
d・e これらは裂肛についての説明。

正答率:94%

テーマ:肛門周囲膿瘍を呈した乳児の母親に対する説明

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