113F56

1歳の男児。停留精巣の手術のため手術室に入室した。麻酔はマスクで酸素と揮発性吸入麻酔薬を投与し、ゆっくりと入眠させる緩徐導入で行った。静脈路を確保し、気管挿管のため筋弛緩薬を静注したところ、突然心拍数が120/分から160/分に増加した。気管挿管時に開口障害があり、気管チューブの挿入に難渋した。人工呼吸開始後に尿道カテーテルを挿入したところ、赤褐色の尿が排出された。その後体温は急上昇し37.0℃から40.0℃になった。動脈血ガス分析で代謝性アシドーシスを認めた。

最も考えられるのはどれか。

敗血症
尿路出血
腎盂腎炎
悪性高熱症
悪性症候群

解答: d

113F56の解説

停留精巣の手術のため手術室に入室した1歳男児。揮発性吸入麻酔薬と筋弛緩薬を投与したところ、頻脈となり、開口障害が出現、赤褐色の尿(ミオグロビン尿であろう)がみられ、高熱を呈し、さらには代謝性アシドーシスとなった。悪性高熱症が考えやすい。
a〜c 麻酔薬と関連して急激に出現する病態ではない。
d 正しい。上記の通り。
e お決まりのひっかけ選択肢。悪性症候群はParkinson病の治療薬を急に中断した時などにみられるものであり、悪性高熱症とは別病態である。区別しよう。

正答率:82%

テーマ:悪性高熱症の診断

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