113F54

35歳の男性。右胸部痛を主訴に来院した。2日前から全身倦怠感と右側胸部の疼痛があり、昨日から同部位に皮疹が出現している。2年前に左側腹部に同様の皮疹が出現したことがあったという。24歳時に急性B型肝炎に罹患している。喫煙歴と飲酒歴はない。意識は清明。身長165cm、体重57kg。体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧118/60mmHg。呼吸数14/分。皮疹の写真を別に示す。

抗体検査を行うべきウイルスはどれか。

HIV
EBウイルス
麻疹ウイルス
風疹ウイルス
コクサッキーウイルス

解答: a

113F54の解説

右胸部痛を主訴に来院した35歳男性。神経の分布に沿って皮疹が出ており、帯状疱疹と診断する。若い男性が帯状疱疹を短期間に繰り返していることから、免疫が低下している状態ではないかと推測する。
a 正しい。24歳時にB型肝炎を発症していることから、血液感染または性行為による感染を疑う。同様の経路で感染するのはHIVウイルスである。
b EBウイルスは伝染性単核球症の原因ウイルスであるが、日和見感染症ではない。
c 麻疹の皮疹は全身に広がり、融合を伴う。
d 風疹の皮疹は全身に広がるので考えにくい。
e コクサッキーウイルスは手足口病、ヘルパンギーナ等の原因となる。日和見感染症ではないし、皮疹も本症例のように神経分布には沿わない。

正答率:97%

テーマ:後天性免疫不全症候群〈AIDS〉罹患を疑う患者で抗体検査を行うべきウイルス

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