113E37

4歳の男児。繰り返す嘔吐を心配した母親に連れられて来院した。1か月前から時々起床後に突然の嘔吐がみられていた。1週間前から毎日起床後に嘔吐がみられるようになり、今朝から呼びかけに対する反応がやや鈍くなったため受診した。下痢や体重の減少は認めない。嘔吐の回数が増えるにつれ、転びやすくなったとのことである。意識レベルはJCS I-1。体温36.7℃。心拍数100/分、整。血圧80/50mmHg。呼吸数36/分。SpO2 98%(room air)。毛細血管再充満時間2秒未満。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。腱反射に異常を認めない。坐位で体幹動揺を認める。指鼻試験は拙劣で、眼振と変換運動障害を認める。眼底鏡による観察で両側うっ血乳頭を認める。

次に行う検査として適切なのはどれか。

脳波
腰椎穿刺
血液培養
頭部単純CT
腹部単純エックス線

解答: d

113E37の解説

4歳男児の繰り返す嘔吐。「坐位で体幹動揺を認める。指鼻試験は拙劣で、眼振と変換運動障害を認める」といった記載からは小脳の障害を疑う。また、眼底鏡による観察で両側うっ血乳頭を認めており、頭蓋内圧亢進も疑われる。脳腫瘍の存在が考えやすい(小児の小脳に好発するものとして髄芽腫の可能性が挙げられる)。
a・c・e 脳腫瘍を同定に適さない。
b 脳圧亢進時の腰椎穿刺は禁忌。
d 正しい。頭蓋内を観察することが可能。

正答率:100%

テーマ:両側うっ血乳頭を認める男児の検査

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