113E30

78歳の女性。全身の皮疹を主訴に来院した。3週間前から両側大腿に掻痒を伴う皮疹が出現し、躯幹と四肢に拡大してきたため受診した。生検組織の蛍光抗体直接法所見にて表皮基底膜部にIgGとC3の線状沈着を認めた。抗BP180抗体421U/mL(基準9.0未満)。大腿の写真を別に示す。

認められないのはどれか。

血疱
紅斑
水疱
嚢腫
びらん

解答: d

113E30の解説

高齢女性の全身の皮疹。大腿の写真では緊満性の水疱がみられている。表皮基底膜部にIgGとC3の線状沈着を認めること、抗BP180抗体が上昇していることと合わせ、水疱性類天疱瘡の診断となる。
a 水疱内容に血液が含まれるものを血疱と呼ぶ。画像内で確認できる。
b 血管拡張により、皮膚が紅色に変化しているものを紅斑と呼ぶ。画像内で確認できる。
c 水疱性類天疱瘡の文字通り、水疱も画像内で確認できる。
d 誤り。嚢腫は存在していない。嚢腫については111E52で画像つきの出題あり。目に焼き付けておこう。
e 表皮が欠損し、下部組織が露出した状態をびらんと呼ぶ。画像内で確認できる。

正答率:90%

テーマ:水疱性類天疱瘡でみとめられる皮膚所見

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし