113D62

70歳の男性。下肢の皮疹を主訴に来院した。自宅近くの診療所で3か月前に受けた血液検査で異常はなかった。3日前に両下肢の点状の皮疹に気付き、増加したため受診した。50歳から高血圧症で内服治療中である。市販薬は内服していない。体温36.4℃、脈拍72/分、整。血圧138/82mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上肢の採血部位に紫斑を認める。両下肢に紫斑を多数認める。血液所見:赤血球463万、Hb 13.2g/dL、Ht 40%、白血球6,400(分葉核好中球55%、好酸球1%、好塩基球2%、単球6%、リンパ球36%)、血小板0.8万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.5g/dL、AST 32U/L、ALT 25U/L、LD 186U/L(基準176~353)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、血糖86mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 104mEq/L。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本で巨核球を認める。造血細胞に形態異常は認めない。

治療方針の決定に有用な検査はどれか。

尿素呼気試験
血小板機能検査
骨髄染色体検査
薬剤リンパ球刺激試験
組織適合抗原〈HLA〉検査

解答: a

113D62の解説

高齢男性の紫斑。血小板0.8万と高度減少しており、骨髄中に巨核球(おそらく増加ということだろう)を認めている。免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉が考えやすい。
a 正しい。ピロリ菌の関与がある疾患であるため、尿素呼気試験が有効。
b 血小板機能は正常。血小板数減少による出血傾向をみる病態だ。
c 骨髄染色体の異常は予想されない。
d 薬剤リンパ球刺激試験はIV型アレルギー疾患の検査。
e HLAの異常も予想されない。

正答率:89%

テーマ:免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉の検査

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