113D58

50歳の女性。右乳房のしこりを主訴に来院した。2年前から右乳房の2cm大の腫瘤に気付いていたが、あまり変化がないため医療機関を受診していなかった。4か月前から増大し痛みを伴ってきたため心配になり受診した。右乳房腫瘤は長径17cmで、弾性軟、胸壁への固定を認めない。皮膚には発赤や腫瘤の浸潤を認めない。腋窩リンパ節を触知しない。胸部CTを別に示す。

最も可能性が高いのはどれか。

乳腺炎
乳腺症
乳腺線維腺腫
乳腺葉状腫瘍
乳管内乳頭腫

解答: d

113D58の解説

右乳房のしこりを主訴に来院した50歳の女性。2年前から存在し、4ヶ月前から急速に増大したという。弾性軟で可動性があること、17cmと大きいにも関わらず腋窩リンパ節を触知しないことから悪性腫瘍というよりは良性腫瘍を疑う。胸部CTでは巨大な腫瘤を認めるも辺縁は整で内部も均一であることも良性を疑う所見である。
a 乳腺炎は授乳中の女性がなりやすい疾患である。また、「炎」と付くからには発熱や腫脹、発赤を伴うはずである。
b 乳腺症は硬結や痛みはあれども巨大腫瘤は来さないため考えにくい。
c 乳腺線維腺腫は若年女性に好発し、痛みを伴わない。
d 正しい。乳腺葉状腫瘍は急速に大きくなることがある腫瘍である。多くの場合良性であるが稀に悪性の場合もある。悪性の場合や急速に増大する場合には手術にて取り除く必要がある。
e 乳管内乳頭腫であれば分泌物を伴うはずである。

正答率:82%

テーマ:乳腺葉状腫瘍の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし