113D48

43歳の男性。健診で白血球増多を指摘され来院した。自覚症状は特にない。体温36.5℃。脈拍84/分、整。血圧136/76mmHg。表在リンパ節を触知しない。左肋骨弓下に脾を3cm触知する。血液所見:赤血球430万、Hb 12.8g/dL、Ht 42%、白血球35,000(骨髄芽球2%、前骨髄球2%、骨髄球5%、後骨髄球7%、桿状核好中球4%、分葉核好中球60%、好酸球8%、好塩基球7%、リンパ球5%)、血小板35万。血清ビタミンB12 8,600pg/mL(基準250~950)。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本(A)、骨髄細胞染色体分析(B)及び末梢血好中球bcr/abl遺伝子のFISH解析(C)を別に示す。

治療薬はどれか。

亜ヒ酸
イマチニブ
ゲフィチニブ
ボルテゾミブ
全トランス型レチノイン酸

解答: b

113D48の解説

中年男性の白血球増多。白血球分画では様々な芽球が出現している。脾腫やビタミンB12高値もみられる。画像ではAにて骨髄内の多様な芽球の出現が、Bにて9番と22番との転座〈t(9;22)〉が、Cにてbcr/abl遺伝子の出現が指摘可能。慢性骨髄性白血病〈CML〉の診断。
a 亜ヒ酸は急性前骨髄球性白血病〈APL〉(急性白血病のM3)の再発時に有効。
b 正しい。チロシンキナーゼ阻害薬であるイマチニブがCMLの第一選択薬である。
c ゲフィチニブはEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌に有効。
d プロテアソーム阻害薬であるボルテゾミブは多発性骨髄腫〈MM〉やマントル細胞リンパ腫に有効。
e 全トランス型レチノイン酸は急性前骨髄球性白血病〈APL〉(急性白血病のM3)に有効。

正答率:96%

テーマ:慢性骨髄性白血病〈CML〉の治療薬

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