113D47

24歳の女性。月経1日目の下腹部痛を主訴に来院した。5年前から月経時に腹痛がある。痛みの程度と持続日数は月経ごとに異なっている。本日朝から月経が始まり、通勤中の電車内でこれまでになく下腹部痛が強くなったので途中下車して来院した。月経周期は28日型、整。下痢や嘔吐は認めない。意識は清明。身長160cm、体重52kg。体温36.6℃。脈拍72/分、整。血圧118/72mmHg。呼吸数20/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。内診で子宮に腫大を認めない。Douglas窩に硬結を触知しない。血液所見:赤血球362万、Hb 11.2g/dL、Ht 37%、白血球5,600、血小板21万。CRP 0.1mg/dL。妊娠反応陰性。超音波検査で卵巣に異常を認めず、Douglas窩に液体貯留を認めない。

最も考えられるのはどれか。

卵管炎
黄体出血
子宮内膜症
卵巣腫瘍茎捻転
機能性月経困難症

解答: e

113D47の解説

若年女性の下腹部痛。痛みは月経とパラレルにみられており、5年間続いているという。月経困難症だ。本文の記載からは器質的な疾患の存在は指摘できず、機能的月経困難症が最も考えやすい。
a 卵管炎であれば、発熱や白血球数・CRP上昇がみられるはず。
b 黄体出血であればDouglas窩に液体貯留がみられるはず。
c 子宮内膜症であればDouglas窩に硬結を触知したり、超音波検査で卵巣に異常を認めるはず。
d 卵巣腫瘍茎捻転であれば超音波検査で卵巣に異常を認めるはず。
e 正しい。上記の通り。
106H21の類似問題。

正答率:95%

テーマ:機能性月経困難症の診断

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