113D41

52歳の男性。咽頭痛と呼吸困難を主訴に深夜の救急外来を受診した。4時間前から強い嚥下痛のため食事が摂れなくなった。2時間前から呼吸困難を自覚するようになった。体温38.5℃。脈拍96/分、整。血圧150/90mmHg。呼吸数30/分。SpO2 92%(room air)。喉頭内視鏡像を別に示す。

まず行うのはどれか。

気道確保
経鼻胃管挿入
自宅安静の指示
消炎鎮痛薬の投与
内視鏡下切開排膿

解答: a

113D41の解説

咽頭痛と呼吸困難を主訴に来院した52歳男性。喉頭内視鏡では明らかに腫脹した喉頭を認め、病歴からも急性喉頭蓋炎と診断する。
a 正しい。呼吸数の上昇とSpO2低下を認め窒息しかけている。直ちに気管挿管を行い、気道を確保する。
b 消化管は関係ない。また、ただでさえ喉頭浮腫にて気道が狭窄している上に胃管を入れては、呼吸状態の更なる悪化を招く。
c 呼吸困難に加え酸素化も不良である状態では、自宅へたどり着く前に窒息死である。絶対に帰してはいけない。
d 消炎鎮痛薬は痛みをとる作用の他に解熱作用もあるので、静脈投与であれば気道を確保した上で行ってもよい。しかし生命維持には直結しないのでまず行うことではない。
e 処置の前に救急のABCである。気道確保より優先するものはない。

正答率:99%

テーマ:急性喉頭蓋炎への対応

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