113D33

6歳の男児。落ち着きのなさを心配した父親に連れられて来院した。在胎38週、出生体重3,422gで仮死なく出生した。乳幼児期の発達には明らかな遅れを指摘されたことはない。現在幼稚園の年長組であるが、集団での移動中に興味があるものに気を取られて飛び出してしまうことが時々ある。順番待ちが苦手で、順番を守れずに同じクラスの子どもとけんかになることがある。また、先生の話をじっと聞いていることができず、勝手に部屋を出ていくこともある。怒られると感情を爆発させ、手を出してしまうこともある。しかし、落ち着いているときは会話も上手にでき、自分の名前をひらがなで書くことができる。人懐っこく、集団での遊びが好きである。神経診察を含む身体所見に明らかな異常を認めない。

父親への説明として適切なのはどれか。

「危険を防ぐため行動を制限しましょう」
「家庭でもっと厳しくしつけをしましょう」
「まず症状を抑えるお薬を内服しましょう」
「特に問題はないので通院の必要はありません」
「完壁を求めすぎず自信を失わせないよう配慮しましょう」

解答: e

113D33の解説

落ち着きのない6歳男児。衝動性や多動性がみられ、注意欠如多動性障害〈ADHD〉が考えやすい。
a 飛び出しによる交通事故などには確かに注意が必要だが、行動制限までは不要。
b しつけが不十分なせいでみられている病態ではない。
c 薬物療法も存在する疾患だが、まず行うべき対応ではない。
d 通院による経過観察が必要である。
e 正しい。個性を尊重した配慮が大切。

正答率:83%

テーマ:注意欠如多動性障害〈ADHD〉児の父親への説明

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