113D20

68歳の男性。手背の結節を主訴に来院した。3週間前に右手背の3mm大の皮疹に気付いた。皮疹が最近2週間で急速に増大してきたため受診した。右手背に径12mmの褐色調の腫瘤を認め、中央に角栓を伴う。波動はなく弾性硬に触知する。腫瘤の部分生検では、中央が陥凹して角質が充満し、有棘細胞の腫瘍性増殖を認めた。腫瘤は生検1か月後にピーク時の25%以下に縮小した。右手背の写真(A)及び生検組織のH-E染色標本(B)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

粉瘤
基底細胞癌
有棘細胞癌
グロムス腫瘍
ケラトアカントーマ

解答: e

113D20の解説

高齢男性の手背の結節。中央に角栓を伴い、有棘細胞の腫瘍性増殖を認めている。また、自然縮小傾向もある。画像ではAで中央部に角栓を伴った結節状腫瘤が、Bでは中央部の角質充満と(異型に乏しい)周囲腫瘍細胞の増殖がみられる。ケラトアカントーマの診断。
a 表皮嚢腫ともよばれ、内部に角質の充満はない。
b・c 悪性腫瘍であり、病理画像にて異型細胞が増殖する。また、自然縮小傾向はない。
d 爪に発生しやすく、痛みを伴う。
e 正しい。上記の通り。

正答率:56%

テーマ:ケラトアカントーマの診断

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