113C38

9歳の男児。陰毛発生、変声を主訴に母親に連れられて来院した。幼稚園の頃から一番背が高かった。半年前から陰毛が発生し、最近になり周囲から変声を指摘され、心配になり来院した。既往歴に特記すべきことはない。家族の身長は、父親175cm、母親159cm(10歳で初経)、兄14歳175cm(12歳で変声)、姉12歳152cm(10歳で初経)。本人は身長150cm、体重51kg。体温36.5℃。口腔内に異常を認めない。甲状腺と頸部リンパ節の腫大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。café au lait斑を認めない。

次に行うべきなのはどれか。

頭部MRI
成長曲線の確認
LHRH負荷試験
腹部超音波検査
胸部エックス線撮影

解答: b

113C38の解説

陰毛発生と変声を主訴に来院した9歳男児。幼少期より身長が高く成長が早いことを母親は心配しているようだ。9歳男子の平均身長は133.7cmであるから明らかに身長は高い。家族の成長発達に明らかな異常は認めない。参考までに、14歳男子の平均身長は165.3cm、12歳女子の平均身長は151.9cmである。
a 成長曲線にて急に身長が伸びたのであれば腫瘍性を疑い頭部MRIを施行する。
b 正しい。幼稚園の頃から1番背が高かったとの記載があるが、それは正常を逸する程度なのかはわからない。成長曲線を確認することで、+2SDを超えているかどうかはもちろん、9歳までずっと高身長なのか、途中から急に正常を逸したのかを判断することができ、次の検査につなげることができる。
c 成長曲線にて視床下部性を疑えばLHRH負荷試験を行う。
d 副腎腫瘍を疑えば行うが、まずは成長曲線の確認である。
e McCune-Albright症候群では骨病変の確認のため胸部エックス線撮影を行うが、café au lait斑を認めないことから否定的である。

正答率:94%

テーマ:思春期早発症に行うべきこと

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