113C37

76歳の男性。記憶障害を心配した妻に付き添われて来院した。妻によると3か月前に、呼びかけても返事がなく宙を見つめるようなことが初めてあった。その後、同様の症状を月に1、2回目撃している。症状発現時には、口をもぐもぐしたり、手指を不規則に動かしたりするような動作がみられることもある。数分で回復することが多いが、その時のことを本人に尋ねても、何も覚えていない。本人は「妻から言われたことを全く覚えていないので、認知症ではないかと不安です」と述べている。かかりつけ医の処方には降圧薬があるが、睡眠薬や抗精神病薬は含まれていない。体温36.3℃。脈拍72/分、整。血圧128/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉29点(30点満点)。神経診察に異常を認めない。尿所見、血液所見および血液生化学所見に異常を認めない。頭部MRIに異常を認めない。

次に行うべき検査はどれか。

脳波
表面筋電図
聴性脳幹反応
脳脊髄液検査
MIBG心筋シンチグラフィ

解答: a

113C37の解説

高齢男性の記憶障害。「口をもぐもぐしたり、手指を不規則に動かしたりするような動作」(自動症と呼ぶ)がみられており、側頭葉てんかん〈複雑部分発作〉を考えたい。
a 正しい。てんかんの検査には脳波が有用。
b 表面筋電図は不随意運動の評価に有用。
c 聴性脳幹反応は難聴の評価に有用。
d 脳脊髄液検査は髄膜炎などに有用。
e MIBG心筋シンチグラフィはParkinson病やLewy小体型認知症〈DLB〉に有用。

正答率:99%

テーマ:側頭葉てんかん〈複雑部分発作〉の検査

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