113B36

20歳の男性。右足関節の変形と疼痛のため救急車で搬入された。会社員で、サッカーのクラブチームに所属している。サッカーの試合中に他の選手と接触して受傷し、歩行困難となったため救急車を要請した。受傷時の足関節の肢位は不明であった。既往歴、生活歴、家族歴に特記すべきことはない。搬入時(受傷2時間後)の意識は清明。体温36.9℃、心拍数100/分、整。血圧124/76mmHg。呼吸数14/分。SpO2 100%(鼻カニューラ1L/分酸素投与下)。右足関節全体に腫脹と圧痛を認める。右足関節周囲に開放創はない。足背動脈は左右差なく触知可能であり、右足趾の自動屈曲伸展運動は可能で、感覚に異常を認めない。右足関節以外に異常を認めない。右足関節単純エックス線写真を別に示す。

初期対応として適切なのはどれか。

テーピング固定
抗菌薬投与
血行再建
大量輸液
整復

解答: e

113B36の解説

サッカーの試合中に受傷して歩行困難となった20歳の男性。Aでは腓骨の骨折と足関節の脱臼を指摘可能。Bでは異常を指摘できない(踵骨骨折等、この側面からしか判別できない他障害を除外させるための提示と思われる)。
a 受傷直後に非医療者が試合会場で行うなら分かるが、医療施設で積極的に行うべき対応ではない。
b 開放骨折ではないため、抗菌薬投与は不要。
c 「足背動脈は触知可能」とあり、血行動態に障害がみられていることは考えにくい。
d 血圧は保たれており、大量輸液も必要ない。
e 正しい。脱臼骨折に対し、整復が有用。

正答率:54%

テーマ:腓骨骨折と足関節脱臼への初期対応

フォーラムへ投稿

関連トピック