113B25

55歳の男性。腰痛を主訴に夜間外来を受診した。今朝から持病の腰痛が増悪し、市販の鎮痛薬を3回内服しても改善しないため受診した。「以前から指摘されている腰椎の椎間板ヘルニアによる痛みだと思う。痛みが取れないと仕事ができない」と訴えている。意識は清明。体温36.2℃。脈拍64/分、整。血圧146/82mmHg。第4腰椎レベルの傍脊柱筋に圧痛を認める。神経診察に異常を認めない。担当医は筋・筋膜性の腰痛の可能性が高いと判断し、消炎鎮痛薬の内服を提案したところ、患者は「飲み薬は効かないので、よく効く注射をしてくれなければ帰らない」と訴えた。半年前の診療記録にも、同様のエピソードでペンタゾシンの筋肉注射を受けて帰宅した記録が残っている。

まず行う対応として適切なのはどれか。

今後の診療を受け付けないように手配する。
薬物中毒として警察に届け出る。
5%ブドウ糖液を筋肉注射する。
ペンタゾシンを筋肉注射する。
さらに詳しく話を聞く。

解答: e

113B25の解説

腰痛を主訴に夜間外来を受診した中年男性が「飲み薬は効かないので、よく効く注射をしてくれなければ帰らない」と訴えている。要求に屈するか、断固として断るか。臨床医により意見は分かれるところであろう。
a 今後診療を受けてもらうことに問題はない。
b 薬物中毒ではない。
c 不要な筋肉注射である。
d 面倒なので、サクッと要求通りの処方をして帰ってもらうというスタンスの医師もいるだろう。意見は多様であり、それが悪いとが言い切れない。しかしながら、我々は今、医師国家試験を解いているわけであり、eという理想的な選択肢がある以上、dはバツとすべきだ。
e 正しい。さらに詳しく話を聞き、医療面接を進めていく。

正答率:100%

テーマ:痛み止め注射を強く希望する患者への対応

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