113A66

23歳の女性。入社時の健康診断の胸部エックス線写真で異常陰影を指摘されたため産業医から紹介受診となった。自覚症状はない。喫煙歴はない。胸部エックス線写真(A、B)を別に示す。

次に行うべき検査はどれか。2つ選べ

肺血流シンチグラフィ
経食道超音波
胸部造影CT
胸部MRI
胸椎MRI

解答: c,d

113A66の解説

胸部エックス線写真で異常陰影を指摘されたため産業医から紹介受診となった23歳の女性。胸部エックス線写真(A)では、左第3弓に重なるように境界明瞭な円形の異常陰影を認め、(B)では前縦隔(心臓と胸壁の間)に同陰影を認める。
a 肺血栓塞栓症や肺動静脈奇形など血流を評価したい時に行う。
b 解剖を考えるとわかりやすい。経食道超音波というからには食道に超音波プローべを挿入し観察する検査である。食道に隣接するのは心臓(特に左房)であるから、心臓弁膜症の評価に用いる。前縦隔の観察はできない。
c 正しい。胸部造影CTを施行し前縦隔なのか肺内なのか、更には周囲組織(血管やリンパ節)との位置関係や転移の有無を評価する。
d 正しい。胸部MRIにて腫瘤内部の性状を確認する。喫煙歴のない若年女性であるため肺癌よりは前縦隔腫瘍を念頭におく必要があり、前縦隔腫瘍といえば奇形腫、胸腺腫を挙げられるようにしておく。
e 現在病変があるのは前胸部であり、椎体にfocusを当てても有益な情報は得られない。

正答率:69%

テーマ:前縦隔腫瘍の検査

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