113A60

1歳の男児。発熱と頸部の腫脹が出現したため、両親に連れられて来院した。5日前から39℃台の発熱が続き、今朝から頸部の腫脹に気付いたため来院した。体温39.2℃。心拍数144/分、整。呼吸数40/分。眼球結膜に充血を認める。両側の頸部に複数のリンパ節を触知する。前胸部、手掌および足底に紅斑を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右肋骨弓下に肝を2cm、左肋骨弓下に脾を1cm触知する。血液所見:赤血球394万、Hb 10.5g/dL、Ht 33%、白血球17,400(桿状核好中球8%、分葉核好中球71%、好酸球2%、好塩基球0%、単球4%、リンパ球15%)、血小板43万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dL、AST 35U/L、ALT 23U/L、LD 450U/L(基準202~437)。CRP 6.7mg/dL。口唇の写真を別に示す。

考えられるのはどれか。

川崎病
悪性リンパ腫
伝染性単核球症
結核性リンパ節炎
Langerhans細胞性組織球症

解答: a

113A60の解説

発熱と頸部の腫脹を主訴に来院した1歳男児。5日間と長い期間高熱が続いており、眼球結膜の充血とリンパ節腫脹、全身の紅斑を認めることから川崎病を考える。写真は口唇の腫脹を示しており、川崎病に典型的な所見である。
a 正しい。上記の通り。すぐに治療を開始する。
b リンパ節は頸部のみであり、肝機能異常も認めないため考えにくい。
c 異型リンパ球や肝脾腫を認めないため考えにくい。
d 口唇の腫脹や全身の紅斑を認めることから合致しない。
e 末梢血中の腫瘍細胞や肝脾腫を認めず、口唇腫脹と眼球結膜の充血を認めることから考えにくい。

正答率:99%

テーマ:川崎病の診断

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