113A44

81歳の男性。嚥下困難を主訴に来院した。1か月前から嚥下困難を自覚しており、2週間前から食事摂取が困難となったため受診した。前立腺癌でホルモン療法を受けている。身長160cm、体重56kg。体温36.1℃。脈拍72/分、整。血圧136/88mmHg。呼吸数14/分。甲状腺の腫大を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上部消化管内視鏡像を別に示す。

考えられるのはどれか。

Barrett食道
逆流性食道炎
好酸球性食道炎
食道アカラシア
食道カンジダ症

解答: e

113A44の解説

嚥下困難を主訴に来院した81歳の男性。上部消化管内視鏡では食道に白苔の付着を多数認める。高齢者で癌の治療中であることを踏まえると免疫力低下による食道カンジダを考える。
a Barrett食道は逆流性食道炎等の背景から、食道下端が扁平上皮から円柱上皮に置き換わった疾患である。嚥下困難とはならない。
b 胸焼けや胸痛は見られても嚥下困難とはならない。
c 好酸球性食道炎は免疫機序によっておこる慢性疾患である。嚥下困難は認めるも、画像では白斑や縦走溝を認めるため本症例とは異なる。
d 食道アカラシアは下部食道括約筋の弛緩不全によっておこる。喉のつかえ感は認めるかもしれないが、画像上下部食道の収縮は認めず否定できる。
e 正しい。カンジダの白苔は特徴的であり、口腔カンジダ等他の臓器にも応用がきくので覚えておきたい。

正答率:95%

テーマ:食道カンジダ症の診断

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