113A35

25歳の女性。意識障害のため救急車で搬入された。本日朝、自宅で突然の頭痛を訴えた直後に呼びかけても反応がなくなったため、家族が救急車を要請した。意識レベルはJCS III-100。体温36.8℃。心拍数92/分、整。血圧160/92mmHg。呼吸数16/分。舌根沈下のため気管挿管を行った。SpO2 98%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。瞳孔径は右3mm、左4mm、対光反射は左で消失している。入院時の頭部CT(A)及び脳血管造影像(B)を別に示す。

まず行うべきなのはどれか。

血行再建術
血栓溶解療法
コイル塞栓術
ステント留置術
脳室ドレナージ術

解答: e

113A35の解説

若年女性の意識障害。突然の頭痛を訴えており、頭蓋内疾患を疑う。画像ではAで脳室内出血を、Bで内頸動脈や中大脳動脈の狭窄が指摘可能。もやもや病を背景としたくも膜下出血〈SAH〉と、その脳室穿破が考えやすい。
a もやもや病の治療ではあるが、現在脳室内出血により急性水頭症・脳ヘルニアを呈している状況であるため、今すぐに行うべきものではない。
b 出血が悪化しかねない。明らかな禁忌肢。
c 脳動脈瘤の治療。今回は動脈瘤由来ではなく、もやもや血管が破綻したと考えられるため、適応はない。
d 動脈狭窄の治療ではあるが、a同様の理由で正解とはならない。
e 正しい。脳室内出血による急性水頭症・脳ヘルニアへの対応としてドレナージが急がれる。

正答率:54%

テーマ:くも膜下出血〈SAH〉(脳室穿破)への対応

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