113A33

38歳の女性。前胸部のつかえ感を主訴に来院した。2年前から食事摂取時に前胸部のつかえ感を自覚していたが、1か月前から症状が増悪し十分な食事摂取が困難になったため受診した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長155cm、体重44kg。血液所見:赤血球398万、Hb 12.9g/dL、白血球6,300、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白7.1g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 22U/L、ALT 19U/L、LD 195U/L(基準176~353)、クレアチニン0.8mg/dL、血糖88mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 100mEq/L。上部消化管内視鏡像(A)及び食道造影像(B)を別に示す。

この患者でみられる可能性が低いのはどれか。

誤嚥
胸痛
咳嗽
呑酸
体重減少

解答: d

113A33の解説

壮年女性の前胸部のつかえ感。症状は2年前から出現しており、緩徐な進行と言える。画像ではAで食道粘膜面の泡沫状唾液貯留が、Bで鳥のくちばし様の先細り造影剤貯留がみられている。食道アカラシアの診断。
a 食道内で停滞が起こるため、逆流し、誤嚥をきたしやすい。
b 食道内圧の上昇や誤嚥により胸痛をみる。
c 誤嚥により咳漱をみる。
d 誤り。呑酸は胃食道逆流症〈GERD〉の症候。
e 食事摂取量低下による体重減少をみる。

正答率:62%

テーマ:食道アカラシアの症候

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