113A24

45歳の女性。発熱、咳嗽および呼吸困難を主訴に来院した。1週間前の7月初めに咳嗽が出現し、3日前から37℃台の発熱があり、昨日から呼吸困難も伴ったため受診した。3年前から毎年6月初旬から8月にかけて同様の症状を起こし、昨年も入院加療している。3年前から築25年のアパートに暮らしており、室内には趣味の観葉植物が多くあるという。両側胸部にfine cracklesを聴取し、胸部エックス線写真ではびまん性散在性粒状陰影を認める。Trichosporon asahii特異抗体が陽性である。

この患者で認められる可能性が低いのはどれか。

IgE高値
帰宅試験陽性
拘束性換気障害
肺の病理所見で肉芽腫
気管支肺胞洗浄液CD4/CD8比低下

解答: a

113A24の解説

発熱、咳漱および呼吸困難を主訴に来院した45歳の女性。古い家屋に住み始めてから毎年夏に症状が出ている。両側胸部にfine cracklesを聴取し、胸部エックス線写真ではびまん性散在性粒状陰影を認め、Trichosporon asahii特異抗体が陽性であることから夏型過敏性肺炎を考える。
a 誤り。IgEはI型アレルギー疾患で高値となる。本症例は真菌感染であるため炎症所見は見られるもIgEや好酸球は正常値である。
b 古い家屋には真菌が繁殖しやすく、現在の家に住み始めてから症状が出現していることからも帰宅すると症状が出現する。
c 間質に主座があるため呼吸機能検査では拘束性換気障害を示す。
d 肺の病理所見では壊死を伴わない類上皮肉芽腫や胞隔炎、マッソン体を認めるのが特徴的である。
e 気管支肺胞洗浄液中のCD 4/CD8比は低下し、一般的に1.0以下となる。

正答率:81%

テーマ:過敏性肺炎の検査所見

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