113A22

50歳の男性。地震によって倒壊した家屋に半日間下敷きになっているところを救出され、救急車で搬入された。左下肢に広範な挫滅とうっ血を認める。意識は清明。心拍数100/分、整。血圧102/50mmHg。血液検査結果は現時点で不明である。

直ちに行うべき治療として最も適切なのはどれか。

生理食塩液の輸液
赤血球液-LRの輸血
新鮮凍結血漿の輸血
0.45%食塩液の輸液
5%ブドウ糖液の輸液

解答: a

113A22の解説

家屋下敷きになっていた50歳の男性。左下肢に挫滅を認めており、クラッシュ症候群を念頭におきたい。
a 正しい。クラッシュシンドロームでは細胞の破壊によるカリウムの上昇が危惧される。また、収縮期血圧は保たれているものの脈拍は上昇しておりショックへの移行も懸念されるため輸液を行いたい。血液検査の結果が出ていないため、カリウムが含まれていない細胞外液を投与する。
b まず細胞外液を投与し、血液検査にて血液型が判明し貧血が確認されれば投与を行う。ただし準備をしておくことは必要である。
c 血液検査にて凝固異常が確認されれば投与する。
d 細胞外液としては体液と等張の食塩水を投与する。
e 5%ブドウ糖液は細胞内液の補給のために投与する。今回必要なのは細胞外液である。また、高カリウム血症の治療としてブドウ糖とインスリンを投与する治療〈GI療法〉があるが、この場合は50%ブドウ糖を用いる。

正答率:96%

テーマ:クラッシュ症候群〈圧挫症候群〉〈挫滅症候群〉の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック