112D72

43歳の男性。突発する強い頭痛のため妻に付き添われて来院した。10日前から毎日明け方に右眼の奥が痛くて目が覚めるようになった。痛みは1時間程度で治まっていたが、今朝は午前5時ごろから右眼の奥をえぐられるような激しい痛みだったので耐えられなくなり、午前6時30分に救急外来を受診した。昨夜は大量飲酒をして就寝したという。30歳台から高血圧症で降圧薬を服用中である。1年前にも同様の頭痛が1週間続いたことがあったという。喫煙は20本/日を22年間。意識は清明。体温36.6℃。脈拍84/分、整。血圧152/94mmHg。呼吸数16/分。瞳孔径は右2.5mm、左3.5mmで、対光反射は迅速である。右眼の結膜充血と流涙とを認める。発語に異常はなく、四肢の麻痺も認めない。腱反射は正常で、Babinski徴候は両側陰性である。頭部MRIとMRAに異常を認めない。

適切な治療はどれか。2つ選べ。

酸素投与
へパリン静注
トリプタン皮下注
グリセリン点滴静注
t-PA〈tissue plasminogen activator〉静注

解答: a,c

112D72の解説

中年男性の頭痛。「右眼の奥をえぐられるような激しい痛み」とのことで群発頭痛が考えやすい。毎日明け方の発症、1時間程度の痛み持続、結膜充血や流涙なども矛盾しない。
a 正しい。100%酸素投与が有効。
b 抗凝固薬である。無効。
c 正しい。片頭痛だけでなく、群発頭痛にも有用。内服ではなく皮下注することに注意。
d 頭蓋内圧亢進時に有用。
e 血栓溶解薬であり、脳塞栓などに有用。

正答率:92%

テーマ:群発頭痛の治療

フォーラムへ投稿

関連トピック