112D62

77歳の男性。発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。10日前から38℃前後の発熱があった。非ステロイド性抗炎症薬を内服したが全身倦怠感が増悪したため受診した。意識は清明。体温39.1℃。脈拍112/分、整。血圧102/48mmHg。呼吸数14/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めないが、右季肋部に叩打痛を認める。尿所見:蛋白(―)、糖(―)、潜血(―)。血液所見:赤血球311万、Hb 9.9g/dL、白血球23,100、血小板11万。血液生化学所見:アルブミン 2.8g/dL、AST 104U/L、ALT 78U/L、LD 263U/L(基準176〜353)、ALP 786 U/L(基準115〜359)、γ-GTP 94U/L(基準8〜50)、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL。CRP 31mg/dL。腹部造影CTを別に示す。

適切な治療はどれか。2つ選べ。

肝切除
抗菌薬投与
経皮的ドレナージ
ラジオ波焼灼療法
内視鏡的胆管ドレナージ

解答: b,c

112D62の解説

高齢男性の発熱と全身倦怠感。右季肋部に叩打痛があり、炎症反応が強く、画像にてdouble targetがみられる、というパターンは108G61と同様。肝膿瘍の診断。
a 膿瘍であるため、切除ではなくドレナージを行う。
b 正しい。CRP高値などから細菌感染が疑われる。抗菌薬投与が望ましい。
c 正しい。膿瘍のドレナージを行う。
d 肝細胞癌に対する治療であり、関係ない。
e ドレナージは有効だが、Vater乳頭経由では肝内までアプローチが困難。

正答率:91%

テーマ:肝膿瘍の治療

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